リスクの大きい戦略 2
TIはディジタル時計でも習熟曲線を一時的に大きく下降し、9・95ドルまで価格を下げました。
しかし、やがてそれも、もっとファッショナブルなスイスと日本に道を譲ることになります。
そして1980年、この会社はパーソナル・コンピューターの騒然とした争いに加わりました。
ビューシイとシェパードがいるTIは、巨大な家庭市場の門口で逡巡などしなかったのです。
アメリカのコンピューター会社は販路をオフィスとビジネスマンに絞っているところが多かったのです。
そうした会社を観察していたTIは、
「わたしたちはアップルよりもビジネスマンをよく理解している。
タンディよりコンピューターがわかっている。
・・・この2つの会社とシリコン・バレーのその他の会社50社を併せたよりもわたしたちは大きい」
・・・などとは言いませんでした。
TIは「それは放っておけ」と言って、ビジネス専門の〈ペガサス〉プロジェクトをしばらく棚上げにし、評論家を驚かせました。
ビジネス・コンピューターの場合、客は1600万の会社で、メーカーは160だとTIは計算しました。
一方、家庭の数は8000万で、ホーム・コンピューターの本格的なメーカーは恐らく3社でしょう。
コモドール、アタリ、そしてタンディ。
・・・この3社のうちアタリだけが家庭用に的を絞っています。